サラムーン/シャネル
銀座はGWの混雑で人があふれています!
シャネルのNEXUS HALLで開催中のサラムーンの写真展に行ってきました。
1960年台にファッションモデルとして活躍していたサラムーンは写真家に転向して
シャネルなどのトップメゾンの仕事をするようなった。
会場にはいってすぐ、真っ白な壁に飾られた水着姿の女性の写真!
全員、顔は下を向いている。
みんな少し太った女性!
十数枚にわたる写真をずっとみていくと、何か・・歪んだ空間に引き込まれたような感覚に!
撮影はピクトリアリスム(イメージを単純に記録した写真ではなく、イメージを創造するための手段として撮影された写真全般のことを指す。狭義では、わざと写真を不鮮明でぼやけるようソフトフォーカスで撮影された芸術写真である。)
・・だがなんとも言えない衝撃を受けた。
その感覚は奥へ進むと更に増していった。
優美な衣装をまとった女性や少女。動物の剝製や骨格標本。鳥や象などの生きものたち。
そしてほとんどの女性は顔を隠しているか、ぼやけている。
何か映画を観ているような世界観に驚愕する!
これだけデジタルカメラが発達している現代で、カメラの性能、ライティング、被写体を綺麗に撮るなどの一切のことを排除しているかのように歪んだ世界に思えた。
サラムーンは「見る側が自由に感じ取って欲しい」と言っている。
自由に感じ取るとすれば狂気すら感じる。
女性が女性を撮ることについてサラ・ムーンは「共犯関係」だと表現する。
「私の本当のテーマは“誘惑”です。表舞台では男性の欲望の対象としての女性の姿が見えるかもしれないけれど、私はそのバックステージに興味がある。モデルとも、そのことについて暗黙の了解がある共犯関係なのです」
サラムーンの写真を観ていると、想像というものが無限に広がっていく。
こういう写真をサラムーン以外の人物が撮っていたら・・・
もし男性のカメラマンが撮っていたら・・・
これは成り立つのだろうか?
もしサラムーンとシャネルとの間に大きな信頼関係がなければ・・・
会場のライティングもどこか歪んだ空間のような!
壁は一面、白いのだけれど写真を全て、観終わる頃には、はっきりとした白にはみえなくなっていた。
霧の中にいるような
何か凄い!
実話に基づくノンフィクション映画を観たときの感情ににている。
これこそ映像の伝える力ではないか!と思った。
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